NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」(2) - 思考の部屋
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<うつ病という病気は昔からある病気なのにその医療技術はどうして進歩して来なかったか?>
うつ病は古代ギリシャ時代からあったと言われ医学の父ヒポクラテスは「うつ」をメランコリアと呼びそれがメランコリー(憂うつ)の語源になっているとのこと。
うつ病に科学的な手法が取り入れられたのは30年ほど前のことで、アメリカでベトナム戦争や失業でうつ病を発症する人が増えそれで医師によって診断のバラつきが起こるのを防ぐためにマニュアルが作られました。
それがDSM−IV−TR(精神疾患の分類と診断の手引)で通称「DSM]と呼ばれ、DSMとは、アメリカで作られた精神疾患診断マニュアルで、
(NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」から)
うつ病診断基準
・気分が落ち込む
・眠れない
・疲労感
・意欲や興味がなくなる
・判断力や集中力がなくなる
・自殺を考える
などの9症状のうち5つ以上が2週間以上続くとうつ病の疑いありという診断ができるものです。
これができたことで診断雄スピードは飛躍的に上がりこのマニュアルは世界中に広がりました。その結果患者の状況を詳しく把握しようとせず症状のみをマニュアルに沿ってチェックするという安易な問診が増えました。
精神科医の間でも反省の声が上がり、問診のあり方をもう一度見直さなければならないという状況下、上記の光ポトグラフィー検査のような科学の力でたくさんの人を救えることが期待されています。
客観的な検査装置磁気刺激や手術よる治療(脳深部刺激)で治らなかった人も脳科学によって希望がもてる時代になりました。
wouldntのは、いびきを停止する
<比較的症状が軽い発症して間がない場合・"ことばの力"で治す>
症状が悪化する前に治してしまおうという治療法で、昔から行なわれていた方法で最近見直しされてきた治療法、それが"言葉の力"で治す治療法なのだそうです。
ことばで脳に働きかけるカウンセリングで、カウンセリングの一種が軽いうつ病患者の脳を変えることが明らかになってきているそうです。
ピッツバーグ大学のグレッグル准教授は、カウンセリングが脳をどう変えるのか研究している人でその研究成果が語られていました。
3か月のカウンセリングを受診しうつ病から回復した患者さんを招きその治療経過等を踏まえ数名のカウンセラーが検討会を行なっている様子が流されました。
脳画像から治療前の健康な人よりも過剰だった扁桃体の活動が下がっている様子に、この患者さんは、
「こんなに変わるとは思ってもいませんでした。信じられません。」
と答えていました。なぜ、"ことばの力"が脳を変化させるのか?
この患者さんが受けた治療法は臨床心理士による「認知行動治療法」と呼ばれるもので、いうカウンセラーが積極的に働きかける治療法です。
[日本の実際の受診事例]
・仕事でミスしたことを気に病んでいる人の場合。
カウンセラーは、見方を変えれば悲観しなくてもよいことを具体的に示します。
この場合実際ミスした回数は任された仕事の1%で、パソコン画面で計算された数値がカウンセラーから説明されます。
減量のギャラリーの前と後
(NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」から)
【カウンセラー】
もしも1%仕事ができない部下がいたら「お前は期待に応えていない」と怒りますか?
【患者】
そう思いませんね。
99%の仕事ができていることに気づかせ前向きな気持ちになるように訓練していく、そういう治療なのだそうです。
ここで番組とは離れますが、思うに、
ネガティブな表の顏から背理しているポジティブな顔を取り戻す。道理や倫理感からそれが「正」だと思いこんでいるが、そのときに作り上げている自己判断の道理や倫理感からの浮き上がってきた数値が第三者が眼の前で「善き数値」に変換しているように見えます。
現象とは差異であり後方に下がっている背景を浮かび上がらせているようです。
この場合は数値で顕在化していますが、見えないものを見える姿に変えています。言葉にできなかった部分を第三者が言葉にしてくれています。
先ほどのグレッグル准教授の検討会の患者さんは「夫に注意されるたびに、自分を激しく責めていた」とのことこの認知行動療法で回復したとのことです。
うつ病と人は扁桃体が暴走し直ぐに不安や悲しみの感情が湧き上がって来ます。
しかし認知行動療法で訓練を重ねると悲しい気持ちになっても前向きに考えられるようになりDLPFCは活性化します。その結果DLPFCは扁桃体にブレーキを掛けうつ病の症状を抑え込むのです。
39週妊娠と腰痛
【グレッグル准教授】
感情のコントロールはDLPFCからの命令で行われます。
だから認知行動療法でDLPFCを鍛えてやれば不安や悲しみがわき上がってきたときに抑えることができます。
<"うつ病は予防できる"未来への研究>
ローリエット脳研究所(アメリカ)では脳の活動をリアルタイムで観察できる装置を使い扁桃体を自分自身でコントロールする方法を研究しています。被験者は自分の扁桃体を観察しながらよい状態にしていく訓練を行なっています。
ハッピーという字が出たら赤いレバーを伸ばしてください。できるだけ幸せな出来事を思い出してください。
被験者が見ている画面の青色の隣の赤色部分が長くなるように設定されていて被験者はこの画面を見て楽しかった出来事を思い浮かべ赤色の部分を伸ばしていくのです。
何を思い出せば扁桃体がより良い状態になるのか?
何度も訓練をくり返すとやがて扁桃体をコントロールできるすべを習得できるのだそうです。
この方法を習得できれば不安や悲しみを感じた時でもDLPFCを活性化し扁桃体の暴走をおさえられ、その結果うつ病をを予防することが可能となるということです。
【ローリエット脳研究所ウェイン・ドレベッツ教授】
今では脳の活動をリアルタイムで観察できるようになりました。さまざまな脳の町域がどのように作用し合い感情を正常な状態に保っているかが分かってきたのです。
私たちが研究している自分の扁桃体をコントロールする方法を使えばうつ病だけでなく将来的には予防にも応用できると考えています。
こころで脳を変える。
うつ病を知ることで脳と心の関係が見えてくる。
ストレスの多く誰もがうつ病になる可能性のある時代科学の進歩でうつ病を克服できる時代がくる、と番組は結びました。
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